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 このページは、高村がBARのオーナーを気取って、ご来店いただいたお客様と「松」について語らうというシチュエーションになってます。「松」は、日本ではよく見かけますが、興味を持つ方は少ないですよね。でも、松にまつわるお話しはいっぱいあります。このページを見て、少しでも関心をもっていただければと思います。
 今日も開店の時間がきました!いらっしゃいませ!ようこそ!TAKA’S BARへ

モンゴル松物語

 「歳寒松柏」とは、どのような逆境においても信念や志を変えないという意味です。松や柏は、真冬でも、葉が落ちないことから、一年中強い植物として作られた熟語です。松は昔から、植物の中でも強いイメージがありますね。崖だった岩山や潮風の吹く海辺で自生してますからね。
 その松の中でもダントツに強い松がモンゴルに自生する五葉松でしょう。モンゴルは、植物が育つには過酷な環境だと言えます。7~8月こそ植物が育み、国中が緑に染まりますが、それ以外の季節は真っ茶色です。その茶色の景色を見た仲間は「まるで火星みたいだ」と言ってました(火星にいったことないくせに)。モンゴルは植物が育つ時期が短いので、草原に背の長い植物が生えていません。冬はマイナス40℃、暑いときはプラス40℃。過酷すぎます。そして、標高が高いのも過酷な条件の一つでしょう。首都ウランバートルでも標高が1700メートルもあります。松が自生しているのは、もっと高く、標高2700メートルの山頂付近です。しかも、その山は岩でできていて、岩の上のわずかな土の成分を、それぞれの松が奪い合っているというのです。凄くないですか?
 モンゴル松の自生する森に行きましたが、樹齢150年を超える松があれば、痩せ細って皮が剥けている松もありました。森にいると、静寂の中、松の枝が落ちる音があちこちで聞こえます。伺ったところ、松は子孫繁栄のために、選ばれし木のみが生き残り、ダメな木は淘汰されていく仕組みなのだとか。一体どうやって打ち合わせしてるのでしょう(笑)。少ない栄養分を生き残る松に与えるために、選ばれなかった松は自害をするというのです。枝が落ちる音は、自ら命を断とうとしている松らしいのです。
 モンゴルの松は成長して、松ぼっくりの種子が使えるまでになるには50年もかかると聞きました。50年もかけて、過酷な条件下で生き抜いてきたのに、森で選ばれなければ淘汰されてしまう。なんて哀しい性(さが)なのでしょう。でも、逆に言うと選ばれた松はめちゃくちゃ強い松だとも言えます。過酷な環境下で、生存競争に勝ったわけですからね。この松が命懸けで残そうとした種子のパワーを私たちはいただき、精魂込めて商品にしているのです。
皮が捲れた死にかけの松
過酷な岩山に生息する松

モンゴル松事情

 モンゴルでは、松は大事な農産物で、輸出などの収入源となっています。モンゴルでは、松が採れる山は全部で7ヶ所あり、毎年当局がドローンなどを使って、その年の松笠の成長具合を調べるのが慣例だそうです。結果は、大・中・小などと報告されて、どの山を収穫を許可する山にするかを国が決定するそうです。大は「豊作」中は「普通」小は「不作」となるそうです。輸出用の収穫ができるのは大の場合のみで、小の場合は一切収穫することは許されません。
 松は3年に一度くらいの割合で凶作があり、乱獲をすれば簡単に絶滅してしまうそうです。そうならないように、国が管理して7か所の山を上手にコントロールしています。しかし、毎年当局に見つからないように松を盗む輩は絶えないようです。松はロシア、ドイツ、中国など、欲しがっている国がいっぱいありますからね。
 限られた資源である松。私たちも原料を押さえるのに苦労しています。

油断大敵?!

 油を使った熟語に「油断大敵」という言葉があります。その意味は、心の隙間こそ大いなる敵ということで、注意を怠るな!気を抜くと失敗するぞ!という意味の教訓の言葉です。この語源には諸説あり、一つは仏教説話で、王に「油を一滴でもこぼしたら命を絶つぞ」と命じられた家臣の話しから生まれたという説と、仏教の行事で、供養のために灯火を一晩中絶やさないようにしたことから言い伝えられたという説などがあります。
 私が聞いたのは後者で、天台宗の祖、最澄が開いた延暦寺の話しです。この延暦寺の根本中堂の中に1200年間も絶えたことのない「不滅の法灯」があるそうですが、この法灯が消えないように、僧侶たちが毎日、欠かさず菜種油を注ぎ足し続けているそうです。一度でも油を注ぎ忘れたら火は消えてしまうぞ!というところから油断大敵の言葉は生まれたという話しを聞きました。
 でも、私の解釈からすると、「油は身体にとって良いもの!油ほどの身体に良いものを断つと、必ず大きな敵(病気)がやってくるぞ!」と言いたいのですが。いかがでしょうか。かなり身勝手な解釈ですかね(笑)

油は使うから飲むに変わります!

 今、全国的に「油」ブームです。健康油の売上はどんどん伸びています。健康を考えて油を選ぶという風潮が全国に広がっています。昔は、油なんてフライパンが焦げなければくらいの感じだったのですが、今は、良い油を選ぶと身体が変わるということを知っている人が増えてきているのです。
 スーパーの安売りの目玉であったサラダ油などではなく、オリーブ油、えごま油、シソ油、米油、亜麻仁油などの専門的な油が売上を伸ばしています。先日は、市場でえごま油が品切れ続出なんて事態も起きました。「えごま油はボケ防止によい」なんてテレビコマーシャルが影響したみたいです。昔のみのもんたの番組じゃないですが、ココアのようにえごま油が売り切れたのは記憶に新しいとこ。
 中には、油を料理に使うのではなく、飲むために使う人も多いのだとか。今、オリーブ油などを朝晩に飲む人が増えています。先日亡くなった医学博士の日野原重明先生もオリーブ油を長年飲んでいたのは有名な話です。毎朝スプーン一杯のオリーブ油を欠かさなかったのだとか。106歳まで長生きされた秘訣の一つだと言われています。
 時代は変わりましたね。油は使う時代から飲む時代へとなりつつあります。良い油を選ぶことは大事ですね。飲める油と飲めない油がありますからね。何でも良いというわけにはいきません。五葉松の油には、ピノレン酸という独特の成分が含まれています。それは、五葉松にしか含まれていない成分です。もちろん、飲むことに適した油です。私も毎日、五葉松油を飲んでいます。とても美味しいですよ。皆さんも、油を飲んで、健康になりませんか?

松+林檎=●●●●●●

 松を英語で「PINE(パイン)」と言います。一般に、パインというとパイナップルを思う人が多いのではないでしょうか?実は、パイナップルの語源は松からきているのです。もうおわかりですね。そう、パイナップルの外観が松ぼっくりに似ているところからきてるのです。松ぼっくりに似たリンゴ(果実)ということで、PINE+APPLE=パイナップルとなったそうです。

松飾りの真実

 お正月に飾るものの一つに「門松」があります。門松は、家にきていただく年神様が、迷わないようにと、目印の意味を込めて飾られ始めたそうです。
 そこに使われる松は、神様の樹木として、昔から崇められてきました。その語源も「神を待つ」からとか、「祀(まつ)るから松」と言われています。松の葉が空を向いているのは、神様が降りてくるのを受け止めるためだとも言われています。
 門松というと、松より竹のほうが目立ちます。しかし、本当は松だけを飾るというのが慣例だったそうです。それは、平安時代からの習わしだったとか。平安時代には、長寿祈願のために、小さな松の木を引き抜くと良いと言われていて、それが門松へと変わっていったらしいのです。竹は後付け?!だったのですね。
 私たちは、神の樹木といわれる松を扱っているのですから、間違ったことはできません。いつも神様に感謝して、この素晴らしい森の恵みを人々のために役立たせたいと思います。

松の実争奪戦?!

 弊社が、松の実の産地を中国からモンゴルに移行した話を前回しましたが、それは松の実の需要が世界的に高まっているからです。今、世界では「松の実争奪戦」が繰り広げられているって知ってましたぁ?たかが松の実、されど松の実です。松の実なんかで?と思ったでしょ?ところがこのニュースは記事にもなっているのです。
 特に激しい争奪戦をしているのが北朝鮮です。中国に輸出したい当局と市場で売って儲けたい地元民が、松の実の取り合いをしているのです。なぜ?松の実なのか。それは、松の実はからだに良いからです。
 今、北朝鮮は経済的制裁を受けています。それによって、地元民は食料や医薬品の入手が困難になると考えられているのです。松の実は、アジアでは、薬のような扱いをされています。中国なんかは医食同源の国ですから、松の需要が高いのです。漢方においても、松は上薬とされている生薬ですからね。北朝鮮当局は、松を中国に売って、少しでも外貨を獲得したいわけです。しかし、地元民も松の薬効をよく知っています。我が身を守るために松は死んでも手に入れたいというわけです。
 日本では、松の凄さを知っている人はまだまだ少ないですが、この記事を読めば、松の貴重さが伝わるのではないでしょうか?

横綱の強さの秘密は「松」にあった?!

 モンゴルから松を入れることになった話を前回しましたが、モンゴルでは松はとてもポピュラーなおやつなんです。
 横綱・白鵬とのゴルフコンペの際、松の実の商品を持って行ったのですが、懇親会の時、松の実を目ざとく見つけた横綱は、いきなりムシャムシャ食べ始めたのです。しかも、かなり食べ慣れている様子。なんでも、モンゴル時代は毎日食べていたそうです。そして、驚いたのは、本場所でも、モンゴルから取り寄せた松の実を相撲の前に食べてるんですって。「松の実を食べると、気持ちが落ち着くんだよ」って一言。確かに、松の実には精神を安定させる作用があるのです。
 モンゴルでは、ポピュラーでも、日本ではあまり馴染みがありませんね。皆さんは、中華料理くらいでしか食べないでしょうか。でも、松の実って結構高いんですよ。手のひらいっぱいの松の実で7~800円くらいします。
 そんな松の実を小さい時から毎日欠かさず食べている白鵬。横綱の強さの秘密は松の実にあったのかも!?

モンゴル産の松に乞うご期待!

 私たちは、今まで中国を中心に松を輸入してきました。しかし、商品の供給が間に合わなくなるほどの人気ぶりで、嬉しい悲鳴です。
 さて、この度、私たちの松の原料をモンゴルから入れることになりました!その橋渡し役を買って出ていただいたのが、元小結、旭鷲山です。旭鷲山はモンゴルで大統領補佐官をしておられます(偉い方なのです)。モンゴルはとても自然が豊かで、立派な松があり、松の実を食べる習慣も昔からあるのです。あの横綱、白鵬もモンゴルの松の実が大好きで、今でも相撲の前に食べているとか。
 モンゴルの松は、ピノレン酸という五葉松独特の成分も豊富で、品質が良いことで知られています。今後、モンゴル産五葉松にご期待ください!

松のタネ明かし

 皆さんは、松の種をご覧になったことはありますか?

 松の種には「羽」が付いています。まるで、ブーメランのような形をしています。そのワケは、種を風に乗せて遠くへ運ぶためです。子孫繁栄のために、進化したのでしょう。

 しかし、私たちが扱う五葉松には、その羽が付いていません。まるで、カボチャか柿の種のようです。ではどのように子孫を残したのでしょうか?そのヒントは種の大きさにあります。五葉松の種は、どの種よりも目立つように大きく進化しました。また、大きくなることで、身体に良い脂肪酸を含むようになったのです。そして、森の動物たちに食べてもらって、便などで、遠くに運んでもらおうと考えたのです。

 羽は付いてませんが、とても大きな種に進化した五葉松。ただ、さすがの動物も風で飛ばす松には、繁殖範囲は勝てませんでした。五葉松が一般の松より貴重で、限られた地域にしか自生していない理由は種にあったのです。これこそ、本当のタネ明かしです(笑)

一般の松と種
五葉松の種と実
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